
ストレッチの主な目的は、
- ケガ防止
- パフォーマンス向上
多くの人が、これらのことを目的に行っています。
ですが、間違ったストレッチを行うとまったく逆の効果になってしまうということをご存知でしたでしょうか?
筋トレをしている方は、筋力の低下、パフォーマンスの低下を招いてしまっている可能性もあるんです。
筋トレの効果を無駄にしないためにも、間違ったストレッチを知っておく必要があります。
それでは、いってみましょう。
筋トレに有効なストレッチは「ダイナミックストレッチング」

筋トレに有効なストレッチは「ダイナミックストレッチング」ということが言えます。
対象となる筋群の拮抗筋群を意識的に収縮させ、関節の曲げ伸ばしや回旋などといった関節運動を行う方法(実際に行う動作を模した動作など)参照元:日本ストレッチング協会
※参照動画
筋トレで言うと、アームカールをする場合、アームカールの動作をストレッチとして行うような感じになります。
拮抗筋(表と裏の筋肉)を意識して、二頭筋と三頭筋を収縮させるように動かすイメージです。
逆に筋トレに適していないストレッチは「スタティックストレッチング」になります。
10~30秒かけて、ゆっくりと静的に筋を伸張する方法(オーソドックスなストレッチ)
皆さんもよく知っているオーソドックスなストレッチがスタティックストレッチングになります。
「なぜ、ダイナミックストレッチングが効果的なのか」ということについて論文を元にご説明していきたいと思います。
ダイナミックストレッチングは筋力、パフォーマンス向上の可能性がある

このストレッチに関しての論文は、42論文の結果をまとめたものになります。
ダイナミックストレッチングとスタティックストレッチングをストレッチ時間ごとに比較した時に、筋力とパフォーマンスにどう影響がでるかを調べたものです。
【スタティックストレッチングの場合】
- 45秒以下のストレッチ時間では、-3.2%の筋力低下
- 46~90秒では、-5.6%の筋力低下
- 90秒では、-6.1%の筋力低下
という結果がでました。
一方、ダイナミックストレッチングでは真逆の効果がでています。
【ダイナミックストレッチングの場合】
- 90秒以下で、0.5%の筋力の向上
- 90秒以上で、7.3%の筋力の向上
という結果がでています。
これにより、スタティックストレッチングでは筋力低下がみられ、ダイナミックストレッチングでは筋力向上がみられるという結果になりました。
他にも、スタティックストレッチングをした後に、ジャンプ高や短距離走のパフォーマンスを計測した結果、「短距離走のパフォーマンスは変わらなかったがジャンプ高は低下した」という結果もあります。
一方、ダイナミックストレッチングをした場合、「パフォーマンスの低下はない、あるいは向上させる」という結果になっています。
スタティックストレッチングをした場合は、「パフォーマンスが低下する可能性」があるがダイナミックストレッチングをした場合は、「パフォーマンスが向上する可能性」があることがわかります。
筋力が筋肥大に直接関係があるかどうかは未だにわかっていませんが、その可能性が無いとも言いきれないのが事実です。
そう考えると、筋力向上とパフォーマンス向上を狙える「ダイナミックストレッチング」を行うことが有効と言えます。
ダイナミックストレッチングを行う時間は長くても問題ない
スタティックストレッチングは、時間をかければかけるほど筋力低下をしていくことがわかっています。
ダイナミックストレッチングは、時間をかけても筋力とパフォーマンスの低下はみられません。
そして、
この2つのストレッチどちらでも、同じ柔軟性の改善が得られるといわれています。
ということは、筋力向上とパフォーマンス向上の可能性のある「ダイナミックストレッチング」を筋トレ前のウォーミングアップに取り入れた方が効果的ということになります。
ダイナミックストレッチングの例
ダイナミックストレッチングを行う速度の実験では、1分間に100回動かした場合と50回動かした場合の比較があります。
そのどちらも向上したという結果でしたが、100回ストレッチを行った場合の方が効果的だったという結果になっています。
「1分間に約100回動作する」ということを目安にダイナミックストレッチングを行うと効果が見込めます。
いくつかダイナミックストレッチングの例をご紹介します。
【下半身】
【上半身】
これを参考に、筋トレの前のストレッチを考えてみてください。
ポイントは拮抗筋を使い、動作的なストレッチを1分間に100回行うことになります。
是非、参考にしてみてください!
筋トレに有効なストレッチ:まとめ
- 柔軟体操の様なストレッチではなく、ダイナミックストレッチを行うこと
間違ったストレッチを筋トレ前に行うことで、パフォーマンスを低下させてしまう可能性がありますので、ダイナミックストレッチングを行い、パフォーマンスの高い筋トレをしていきましょう。
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